トラカイトオルソ > 小説 > イッツ・オンリー・トーク 絲山 秋子(著)

イッツ・オンリー・トークイッツ・オンリー・トーク
絲山 秋子
文藝春秋 2004-02-10

引越しの朝、男に振られた。東京・蒲田―下町でも山の手でもない、なぜか肌にしっくりなじむ町。元ヒモが居候、語り合うは鬱病のヤクザに痴漢のkさん。いろいろあるけど、逃げない、媚びない、イジケない、それが「私」、蒲田流。第96回文学界新人賞受賞作品。

赤裸々に女性を描く様が素敵。
一番印象に残っているのが、男と銭湯に行ったシーン。
もう上がるという男に、私はもうちょっと、と言い、その後の地の文で、"私にはまだ、踵の角質とりと、腋毛そりが残っているのだ"と平然と書いてのける所。女性作者ならではのこういう文章は楽しい。
全体もこんな感じなので非常に楽しく読めた1冊。しかし楽しいがために、読者の心に訴えかけるものも少ないかな、芥川賞候補の割りに。
純文学なのに、エンタテイメントって感じです。

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