トラカイトオルソ > 小説 > キップをなくして 池澤 夏樹(著)

キップをなくしてキップをなくして
池澤 夏樹
角川書店 2005-07-30

「キップをなくしたら、駅から出られない。キミはこれからわたしたちと一緒に駅で暮らすのよ、ずっと」「ずっと?」キミは今日から、駅の子になる。学校も家もないけれど、仲間がいるから大丈夫。電車は乗りたい放題、時間だって止められるんだ!子供たちの冒険、心躍る鉄道ファンタジー。

キップをなくすと、駅から出られない。ずっと。というアイデアに心が躍る。
キップをなくした主人公はそこで駅の子になり、他の駅の子と一緒に、通勤ラッシュに巻き込まれた子どもを救う仕事に就く。津波みたいな通勤ラッシュに対抗するため、駅の子たちは時間も止められちゃう。
しかし、その話が全然膨らまない。中盤から別の駅の子の話一本になり、別の路線に話が変更されちゃったのは、ちょっと物足りない。
その後半は、ホロっとする切ない話で素晴らしいのだけど、もっと比率が低くてよかったのでは?と感じる。色んなパターンで、駅の子たちを描いて欲しかったな。素晴らしいアイデアなだけに、もったいない点。
でも良質な一冊です。
素晴らしいアイデアだと感心してたら、元ネタ(黒井千次「子供のいる駅」)がある様子。こっちも読みたいけど、図書館にあるかな?

鉄路に咲く物語
日本ペンクラブ
鉄路に咲く物語


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