トラカイトオルソ > 小説 > わくらば日記 朱川 湊人(著)

わくらば日記わくらば日記
朱川 湊人
角川書店 2005-12

昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした…。

少女たちの幼さ、優しさと、事件や大人の世知辛さとのギャップがグッド。
超能力で事件を解決に導くのだけど、それは全然メインじゃないです。おまけ程度の存在感。キャラ達の心の振幅こそが面白い一冊です。昭和ノスタルジックとあいまって本当にやさしい雰囲気。それだけに起こる事件の悲惨さ、怖い複線、切ない信実の切れ味が増してます。
ただ、複線が3つ4つ張りっぱなし。物語は老いた妹の語りで進むため、「このときはまさかこんなことになるなんて」的複線が沢山張られてるのに全然回収されてない。しかも続編でてないし。続編早く!

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